2023.12.21

あなたの創作のルーツはなんですか? 小説家・諏訪原 天祐さん インタビュー前編

わたし|ワンダー編集部
あなたの創作のルーツはなんですか? 小説家・諏訪原 天祐さん インタビュー前編

PEOPLE WONDERあっちにもこっちにも
ワンダーな人たち

小説家・諏訪原天佑さんへのインタビュー前編です。児童福祉の仕事をする傍ら、小説家として活動する諏訪原さん。鳥取大学文芸部のOBである、諏訪原さんの独創的なペンネームや作風、そして謎の人物像を探るべく、「にんげん研究会」メンバーの三弦さん、Kさん、Mさんが「鳥取で出会った最も印象に残る芸術」をテーマにお話を伺いました。

 

現在の仕事と作家活動

——今、お仕事は何をされてるんですか?

諏訪原:仕事は児童の児童福祉関係の仕事をしています。もうちょっと詳細に言うと、障害児の通所支援施設の方で指導員をしています。

——執筆もされているんですよね?

諏訪原:今はそうですね、個人の同人サークルの方で。1人で文章書いて、表紙作って構成して写真作ってまで、全部ひとりでやっています。

——現在のペンネームとかお伺いしても、よろしいですか……?

諏訪原:ああ全然。「諏訪原 天祐(すわはら てんゆう)」という、かっこよさげな名前で活動してます。

——お名前は、どういうふうに思いつかれたんですか?

諏訪原:自分が学生時代、文芸部で活動してる中で結構コロコロペンネームを変えるタイプの人でして。本当に1個1個名前を挙げていったらきりがないのですが。例えば「2代目親のすねかじり虫」、「チキン南蛮太郎」など、ちょっとふざけた名前で、力の抜けたような感じでやりたいなと思ったんです。けど、いざ社会人になって活動するとなったら、やっぱり「チキン南蛮太郎」っていう名前だと「どう呼べばいいのか分からない」みたいな問題が出てきまして。いろんな作家さんと交流するときに、名前を呼びづらかったら都合が良くないなと思って、今の名前にしましたね。

——なるほど、自分はあんまり呼ばれることがないので、参考になります。

 

障害児のサードプレイスについて考えた大学時代

——大学生のころは、どのようなことを研究されていたのですか?

諏訪原:障害児のサードプレイスについて研究していました。サードプレイスって、やはり研究されてるのは大人のサードプレイスですよね。『サードプレイス』っていう分厚い本もあったと思うんですけど、その本では職場と家、そしてもう一つの居場所として、パブなどが挙げられていました。だけど、サードプレイスの概念って、大人に限らず子供にも応用できるなっていうのは常々考えていて、障害児のサードプレイスに焦点を当てて研究するようになりました。研究していくと、やはり地域社会から隔絶されることが多いと感じました。何故かっていうと、それこそ今、本当に特別支援学級が充実してきてるので、そこに通うお子さんも多いんだけど、もう一方で、鳥取だと白兎養護学校が道の駅の近くにあったりとか、鳥取大学附属特別支援学校、特別支援学校に通うとどうしてもその地域の流れからやっぱりちょっと外れてしまうんですよ。遠い学校に通わざるを得ないから、同年代の子供と触れ合う機会っていうのはどうしても限られてくる。そういった中では、ともすれば学校と家の往復の生活になりがちで、通常児の子と比べて、そのリスクが高い。であるならば、「障害児のサードプレイスになり得る場所はどのような場所なのだろう?」と研究をしてました。こう言うと難しげに聞こえるけど、要は、子供が楽しめる場がもう1個あればいいよねっていう研究ですね。

——そんな研究をされていたんですね。ありがとうございます。

(後編へ続く)

 


 

諏訪原天祐 / Tenyu Suwahara

鳥取大学地域学部地域学科地域創造コース卒。鳥取大学文芸部OB。 障害児の通所支援施設に勤務する傍ら小説を執筆し、個人サークルで発表を行っている。鳥取アートフリマの他、県外の即売会への参加経験も多数。

三弦るけい / Rukei Sangen

2001年生まれ。岡山県岡山市出身。2020年、鳥取大学地域学部地域学科地域創造コース入学。鳥取大学文芸部部員。趣味で小説を執筆しており、2023年10月、初めて製本化した自作の短編小説集を鳥取アートフリマで頒布した。

K

2001年生まれ。岡山県玉野市出身。2020年、鳥取大学地域学部地域学科地域創造コース入学。趣味は絵を描くこと。特に固定の名義は持っていないので、友人との交流用SNSアカウントにたまに投稿している。最近のマイブームは回転寿司のテイクアウトをすること。

M

2001年生まれ。兵庫県姫路市出身。2020年、鳥取大学地域学部地域学科地域創造コース入学。趣味は、東南アジアの文化に触れること。特にタイのドラマと音楽にハマっている。また研究の一環兼趣味として、地域の日本語教室でボランティア活動を行っている。

NEWS & EVENT お知らせ

もっと見る