2023.4.1

智頭の林業のフィールドワークで見えてきた、人生の秘訣とは?

塚本莉奈
智頭の林業のフィールドワークで見えてきた、人生の秘訣とは?

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鳥取県智頭町の主な産業のひとつである林業。フィールドワークで智頭の林業を訪ねた鳥取大学地域学部の塚本さんは、そこで暮らす人々の姿から、林業のみならず自身の生き方に思いを馳せます。

 

私は高校生の時、学校の授業の一環で地域調査を行ったことがある。実際に地域に出て、地域のことを地域の方々と共に考えることに楽しさややりがいを感じた。そして、フィールドワークができる環境で地域のことを学びたいと考え、鳥取大学地域学部に入学した。「フィールドワーク」という言葉に惹かれ、1年生後期に履修する「基礎ゼミ」では村田周祐先生のゼミを志望した。そして、5つのフィールドワークに参加させていただいた。どのフィールドワークも学びや気づきが多く、非常に濃い時間となった。

「楽しい」という気持ち

子どもとの時間を大切にしたいと脱サラした方や、学校のやり方が自分に合わないからと学校に通っていない子、そしてそれを許している親、木の枝やロープで遊び道具を作ったり穴を掘って遊んだりする子どもたち、様々な林業を行っている方々。彼らのもとにフィールドワークに行き、共に過ごしたり、お話を伺ったりして、誰もが「楽しい」という気持ちを大切にしておられるように感じた。私には、彼らの姿が輝いて見え、このような生き方に憧れを抱いた。

私は高校時代、安定が一番だと考え公務員を志望していた。しかし、大学に入学してから、講義を受けたり、地域活動をしたりする中で、安定を選ぶかわくわくを選ぶかで悩んでいた。「楽しい」という気持ちを大切にし、好きなことを生活の軸にしている彼らの姿を見て、私もこのような生き方をしたいと思った。生活のためには安定も大切であるが、それよりも「楽しい」という気持ちが大切だと気付くことができた。それは決して簡単なことではないが、非常に大切なことである。これからの人生において、「楽しい」という気持ちを大切に生きていきたい。

仲間

フィールドワークの中で出会った林業をしておられる方が言っておられた「横の繋がりを大事にすれば、自分のやりたいことができる」という言葉が印象に残っている。私が所属している、商店街で誰もが立ち寄れる居場所を目指す学生団体での活動の中でそれをよく感じる。私は大学に入学したら商店街に関わる活動を行いたいと考えていた。しかし、始め方も分からず、仲間もおらずで、何も行動できないまま時が過ぎていた。そんな時、1つ上の先輩から「商店街に出店するプロジェクトを立ち上げるけれど、一緒にやらないか」と誘われ、参加することにした。コンセプトや内装、提供するメニューなど、メンバーと意見を出し合いお店をオープンした。この活動をする中で、仲間がいるからこそできることもあると気付かされた。それまで私はいつも一人で行動し、何でも自分でやった方が効率が良いと考え、集団行動を好んでいなかった。しかし、仲間がいることで商店街での活動ができている。この経験から、次は同じ思いを持つ仲間と共に古民家をリノベーションし、誰もが集える場所を作るために団体を立ち上げようと考えている。一歩ずつ成長している自分に驚くとともに嬉しさを感じる。

これから先の人生で、人間関係で悩むことや一人でつまずくこともあるだろう。「横の繋がりを大事にすれば、自分のやりたいことができる」。そんな時は、この言葉を思い出し、仲間を大切にしようと思う。

知らない世界

5つのフィールドワークのうち、3つは林業であった。林業のフィールドワークで訪れた3つの山は、智頭のほとんど同じところにあるにも関わらず、景色は全く違って見えた。これは私にとって驚きであった。木を伐倒し、運んで、売るというのは、林業の典型的な形である。しかし、枝やコケを採取して、選定して、売るという新たな林業の形もあり、これを「花木生産」と言う。花木生産を行っておられる方のもとにフィールドワークに行った際、山に入った瞬間、景色が違って見えたことを今でも覚えている。木を伐採する林業の山に入った際は、周りの背の高い木しか目に入らなかったが、花木生産の山に入った際は、そこが宝の山に見えるほど素敵な枝やコケが目に入るようになった。このような新たな林業の形があることを知り、知らない世界が多いことを実感した。

私は鳥取県出身だが、林業に触れたことも、智頭を訪れたこともなかった。このように、鳥取のことでも知らないことが多いことに気づいた。地域のことを学び、将来鳥取県で地元のために働きたいと考えている学生として、鳥取のことを知る必要性を強く感じた。そのため、現在「鳥取巡り」と題して、同じく鳥取県出身の地域創造コースの学生と共に、まずは県内の全ての市町村を巡り、観光名所を訪れたり、自然に触れたりし、そこで出会った方々と会話をして鳥取のことを知ろうと考えている。市町村を制覇することは可能であろうが、鳥取のことを全て知るには何年必要だろうか。きっと何年経っても知らない世界があるだろう。だからこそ、「楽しさ」を感じることができるのだと思う。鳥取の良さを感じながら、楽しみながら鳥取のことを知っていきたい。

私のこれからの人生の秘訣
フィールドワークに参加し、多くの学びや気づきを得た。まず、「楽しい」という気持ちを大切にすることが重要だ。自分の気持ちに嘘をつかないことで、人生はわくわくに溢れた豊かなものになる。さらに、仲間がいることで1人ではできないこともできる。自分の足元には知らない世界が多く存在していて、今回フィールドワークで関わった方々が感じている「楽しさ」には、知らない世界を知ることの楽しさやわくわくも含まれるのではないか。また、そこに仲間がいることでできることが増えたり新たな気づきがあったりするのではないかと思う。 今後も積極的にフィールドワークに参加し、地域を見て、聞いて、体験し、自分自身を見つめ直したい。そうすれば、私のこれからの人生は、きっとより良いものになるだろう。

塚本莉奈 / Rina Tsukamoto
鳥取県米子市出身。地域創造コース所属。書道パフォーマンスに挑戦したいという思いで大学の書道部に入部。学生団体の「ばばのばプロジェクト」と「COCON」に所属。チラシ等のデザイン力を上げること、資料作成、メディア取材ができるようになることが今後の目標。積極的に挑戦すること、人生を楽しむことがモットー。

*この記事は、鳥取大学地域学部地域創造コース1年次必修科目「基礎ゼミ」(村田周祐先生, 2022年度)でのインタビューを基にしています。

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